やさしい手のひら・後編

キスをした後ずっと新くんが私を抱き締めていた

新くんの匂いを鼻いっぱいに吸い、私の中に押し込めた

「俺が健太を忘れさせるから」

どうしても健太に繋がってしまう

「私はこれから・・・新くんと一緒に前に進むから。だからもう健太のことは・・・」

「わかってる」

そう言ってもう一度私の唇にキスを落とした

「寒くなって来たから帰ろう」

歩く前に手を差し出してくれた

私はその手を握ると新くんも握り返す

この手を離してはいけない・・・

きっとこの手は私を幸せへと導いてくる

私はそれを信じて着いて行く。そう自分の意志で決めた

車に乗り私のマンションの方へ車を走らせた

なぜかシーンとなる車の中

でも私の気持ちは落ち着いていた

横目で新くんを見ると前を向いて運転している

「そんなに見るなよ」

と言って私の目を隠してしまった

「見えないよ」

「恥かしいから見るな」

こんな顔を見るのは初めて?というぐらい照れた顔。私はきっとこんな新くんを見たかったのかもしれない

いつも無理に笑っていた気がしたから・・・

その笑顔を奪っていたのは私・・・