やさしい手のひら・後編

「なぁ?」

「うん?」

「はっきり言ってくれないか?」

えっ?何を?

私は新くんの言っている意味がわからなかった

「嫌いなら嫌いって言って・・・」

「ど、どうしたの急に・・・」

「急にじゃねぇだろ」

「キャッ」

私はすっぽり新くんの腕の中に引き込まれてしまった

「嫌いって言われた方が楽だから・・・」

新くんの気持ちが痛いほどわかるんだ

私もそうだから・・・

中途半端な態度がどれだけ不安にさせて悲しくさせるか・・・

私が健太を思う気持ちと新くんが私を思う気持ちは同じ

そう・・・辛い・・・この一言だと思う

「俺な・・・」

そう言いかけたまま黙っている

「やっぱりお前と・・・ちゃんと向き合いたい」

新くん・・・

「俺は健太のようにお前を泣かせない。悲しい顔をさせない。寂しい顔をさせない」

私の右耳から新くんの心臓の音が聞こえる

ゆっくり顔を上に上げて新くんの顔を見ると目が合ってしまった

その目は嘘も偽りもない目で「俺を信じろ」とでも言っているような目だった

私はその目に釘付けになる