やさしい手のひら・後編

おじさんの店を出てから私達は車に乗り、

「いつもの所行く?」

「うん」

東京湾だよね・・・

行くの久しぶりだな・・・

そんなことを考えながら私は流れる街のネオンを見ていた

おじさんの店から港は近くて、すぐ着いてしまった

私は新くんより先に車から降りて

「気持ちいい」

両手を上に上げて背伸びをした

12月だから息も白い。でも澄み切った夜空がきれい

「寒くない?」

「大丈夫」

フワッ

新くんが私の首にマフラーをつけてくれた。私は新くんに

「ありがとう」

そう言ってマフラーを自分で強く首に巻いた

工場の音と波の音が私を落ち着かせてくれる

何度ここに足を運んだだろう

そして何度来てもここは私にとって癒される場所

私は今日で二十歳になった

子供なのか大人なのかまだわからない境目

法律上、タバコもお酒も解禁になった

みんなはもう大人だから・・・きっとそう言うだろう

でもどこでそれを区切ればいいのか、まだ私にはわからない

健太がいなくなってから私は自分なりになんとか前に進んでる

進みたくないと思っても時間は勝手に過ぎて行く

過去はもう思い出として・・・