やさしい手のひら・後編

どこへ行くのかわからないけど、私は健太の手を信じてずっと握っていた

「乗って」

教会の駐車場に止めてあった健太の車の前に来た

「健太・・・」

「うん?」

「私、このままなの?」

私はウエディングドレスのままでこんな長いトレーンでどうやって車に乗ったらいいのだろう

「そこにいて」

健太が私の後ろに来てベールを外してくれた

「これで乗れるだろ」

「でもドレスが・・・」

この膨らみが・・・

「そうだよな…まず乗って」

健太はドアを開けて、私を強引に乗せ、ドレスの裾を車の中に押し込んだ

「よし行こう」

「えっ?どこに?」

健太はフッと笑い車を発進させた

健太と一緒ならどこだっていい・・・

私はそれ以上聞かず、健太の運転するがままに流れる景色を見ていた

なぜ教会に来たのか・・・

きっとこれからちゃんと説明してくれるはず

だから今は聞かない

見たことがあるような坂道を上がって行く

「健太ここ・・・」

ここは・・・

あの日私達が別れた教会だった

私は驚いて健太を見ると

「俺と亜美が結婚する教会」

「嘘・・・」

胸が高鳴り、信じられない健太の行動に驚くとともに嬉しさが溢れだす