やさしい手のひら・後編

「婚姻届は出したの?」

「夜間も受付けてるから、夜新くんと行こうと思って」

「亜美が結婚か…」

由里は寂しそうに言った

「いろいろあったね」

「うん…」

「でも亜美はこれからだからね」

「これから?」

「幸せは自分で掴んでいくってこと」

「自分で…そうだね」

見ているだけじゃだめなんだよね。自分も努力が必要で相手に求めるだけじゃいけないんだ

「そろそろだね」

「どうしよう…私緊張してる」

「大丈夫だよ」

優香が私の手を握って微笑んだ

「ちゃんと見守ってるから、大丈夫」

「うん」

私の緊張が頂点に達していた

「亜美、幸せになるんだよ」

「由里、優香、ありがとう」

「じゃあ、式場でね」

二人が出て行きいろんな思いが込み上げてきた

あと何分もない中、私が選択したことが正しい道なのか不安になってきていた

間違ってなんかいない

私は正しい道に進むんだ

この道は幸せの道

だから迷うことなんてないんだ

トントン

「式場に入ります」