やさしい手のひら・後編

「ご、ごめんなさい。私・・・聞くつもりじゃ・・・」

そう言って唯ちゃんが走って行ってしまった

「待って、唯ちゃん」

何を言ってあげられるかわからない

でも私は必死になって追いかけた

病院の外まで走り、やっとの思いで唯ちゃんの腕を掴んだ

「凌くんの気持ち・・・知ってるのに・・・」

「唯ちゃん・・・」

「いいんです。亜美さんを好きなのを知ってて私は付き合ってもらったんです。亜美さんが今そばにいてくれるなら、凌くんも幸せだと思います・・・」

そう言いながら唯ちゃんは泣いていた

「唯ちゃん、私にはこの間一緒に病院に来ていた人がいるから・・・」

新くんの存在を言わなくてはいけない、と思った

「凌くんの気持ちを知ってて無視するんですか?」

「えっ?」

「こんな時に凌くんの気持ちを知ってて一人にするなんて・・・。付き合えないのにどうして会いに来るんてすか!付き合わないなら…お見舞いはあの日だけでいいじゃないですか!」

さっきまで泣いていた唯ちゃんが別人のような顔で私に言った

新くんにも似たようなことを言われた

凌の気持ちが膨れ上がる・・・

そう言われたのに私は今日ここに来た

凌の気持ちを知っていながら・・・

でもそれは友達として心配だからで・・・

「傍にいてあげれないなら近寄ってほしくなかったです」

ズキッと心が痛む

自分の行動が人を傷つけていること

凌だけではなく唯ちゃんも・・・

私が現れたことで凌と唯ちゃんの仲を壊してしまっている

「私、凌のことが心配で・・・ただそれだけだったの・・・。唯ちゃんと凌を傷つけてるなんて・・・何も考えていなくて…」

「凌くんには幸せになってもらいたいんです」

目に涙を溜めながら唯ちゃんは私に言った