やさしい手のひら・後編

「本郷が…車に引かれて…危篤…」

「えっ?」

聞いた瞬間から頭の中が真っ白になり私は放心状態だった

携帯を耳から離し、何が起こったのかわからないでいる

凌が、凌が…危篤?そんなの嘘。絶対嘘

信じない。危篤なんて信じない

「亜美、おい大丈夫か?」

新くんの声が聞こえているのに反応できない

私の手から携帯を取り、由里と話している

そんな姿さえ目に入らず、頭の中は凌のことでいっぱいだった

だって笑ってたよ

だってしゃべってたよ

どうして?誰か嘘だと言って…

お願い間違いであって…

「亜美、病院行くぞ」

「病院?何しに?」

「お前の友達に会いに」

「友達?新くん、何言ってるの?病院に友達なんていないよ」

「亜美、現実を受け止めろ」

そう言われた瞬間、涙が零れ出す

「凌…凌…」

私は信じたくなかった。いつも笑っていた凌が危篤なんて、信じたくなかった

お願い…死なないで…凌