冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う




「このおめでたい日が皆様のお心にいつまでも佳き思い出として残りますよう、心をこめてお写真を撮らせていただきます」

最初に指示されたとおり、こぶし三個分離れて並ぶ紬さんが、姿勢を正すのを視界の隅で感じた。

私も、かつらの重みと白無垢の美しさに気持ちをひきしめ、指先にまで気持ちを注ぐ。

カメラマンさんが言ってくれたように、「心にいつまでも佳き思い出として残る」結婚式。

予想外のお見合いの向こう側に、紬さんの愛が待っていたこの結婚が、私たちだけでなく、ここに集まってくれた全ての人の心に優しい思い出として残るよう、願いながら。