冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う





信じろよ、と瞳の奥の意志が私に告げる。

信じないわけ、ないし、信じたい。

私だって、紬さんに負けないくらいに容赦なく、自分の本能のままに。

「私も、我慢せずに、愛するからね」

えへへ、と照れ笑いをしながら、お返し。

そして、二人で安堵の息を吐いたあと、顔を寄せ合い、くすくす笑っていると。

カシャリ、と大きな音とともに、フラッシュが光った。

「え? ど、どうしたの?」

私は、紬さんに預けていた体を慌てて起こし、周囲を見回した。

紬さんも、私と同じように驚いた表情で視線を動かしている。

すると、カメラマンさんが楽しそうに話しかけてきた。

「あまりにもお二人がお幸せそうなので、勝手に撮らせていただきましたよ」

「え……?」

「体を寄せ合って、本当に愛し合っているのが分かります。いいお写真になると思います」

「あ……」

カメラマンさんは、笑顔を作り、頷いた。