相変わらず私の手を握りしめて「早く終わらねーかなあ」とぶつぶつ言っている紬さんの声が、私の耳元に響いている。
「これから披露宴もあるし、まだまだだよ」
「くそっ。瑠依の綺麗な姿を見せびらかして、俺の嫁さんだぞって自慢したいから披露宴をするのに。これほど瑠依に自由に触れないなんて想定外だ」
「……触ってるよ、ずっと」
私の手や、腰に絶えず触れている自分に、気付いていないのかな。
「これが触ったうちに入るわけないだろ? 直接肌に触りたくて仕方ないんだよ」
「……変態」
「結婚したんだから、変態でもなんでもいいんだよ。自分の嫁さんに触りたいと思ってどこが悪い」
荒々しくそう言うと、紬さんは私の手を更にぎゅっと握りしめ、耳元に口を寄せた。
「俺の嫁さん、本当に綺麗なんだ。もう、手放せない」
低く重い声。
いつもの明るい口調とは違う、深い声音に驚いて、そっと視線を上げると。
「ずっと、瑠依を待っていたんだ。俺の愛情全てを瑠依に注ぐために……待ち疲れた。だから、これからは容赦なく触るし、抱くし、愛するから」
硬い声とは正反対の甘い言葉を、一言ひとこと区切りながら、思いを伝えてくれた。

