いつになく低い声からは、紬さんの感情は読み取れなくて、いっそう視線を合わせにくくなる。
どう答えていいのかもわからなくて、口を閉ざしたままでいると。
「まさかとは思うけど……」
苦しげな紬さんの声に、体がピクリと跳ねる。
私のその動きに、紬さんが気付かないはずがない。
そっと視線を紬さんに向けると、眉間に深いしわを寄せていた。
かなり思いつめているような、出会ってから初めて見せられた不安定な様子に、視線をそらすことができない。
「紬さん……?」
「なあ、瑠依は、もしかしたら……」
「もしかしたら……、何?」
言いづらそうにしている紬さんに問いかけると、さらに眉間のしわは深くなり、覚悟を決めたような紬さんの吐息。
緊張感に満ちているその様子が私にも伝染する。
「ねえ、はっきり言って、もしかしたら、の次は何?」
まさか、離婚しようとか、そんなことを言われたらどうしよう。
私のことを大切に思っていると言ってくれたのは嘘だったのだろうか、それとも、この結婚自体が嘘だとでも……。
なんて、かなり後ろ向きな思いが次々と頭をよぎっていく。

