けれど、相変わらず眠り続けている父さんをちらりと見ると、表情を引き締めて彩也子さんと私に向かって視線を上げた。
「警察の方が、事情を聴きたいとお待ちです。……ご家族の方とも話したいとおっしゃってますが」
警察……。
その言葉を聞かされて、とくりと鼓動が大きく跳ねた。
そうだ、被害者だとはいえ事故の当事者だから、警察に事情を聞かれるのは当然のこと。
けれど、父さんが事故にあったというだけでも落ち着かないのに、その上、警察……。
それに、事故の理由も何も、結局は聞かされていないままの私が、何を答えればいいんだろう。
「大丈夫よ。私が警察の方とは話をするから……それに、社長ももうすぐいらっしゃるから、瑠依ちゃんは何も心配する必要はないのよ」
私の不安に気付いた彩也子さんが、安心させるようにそう言ってくれた。
彩也子さんは、いつの間にか頼りになる普段の彩也子さんの姿に戻っている。
私がここに来て以来ずっと心細げに立っていた姿をどこかに押しやり、父さんを守るという使命に燃えているようだ。
父さんとの親しい関係を私に知られても構わないと、覚悟した潔さも感じる。
そして。
「俺もいるから、大丈夫だ」
紬さんが、耳元に囁いてくれた言葉に、ふっと気持ちが緩み、私も落ち着きを取り戻す。

