その言葉の向こう側には、「私の分まで」という思いを感じたけれど、それはきっと気のせいなんかじゃないはずだ。
紬さんもそれを察したのか、「もちろん、一生愛して、幸せにします」と真摯な声で答えてくれた。
「そうか、なら、安心だな……」
「と、父さん?」
私と紬さんに優しい笑顔を向けた父さんは、安心したような吐息と共に、再び目を閉じた。
「と、父さんっ。どうしたの?」
私の言葉になんの反応も見せず目を開くこともない父さんに、慌てた。
命に別状はないと聞いていたのに、容体が急変したのだろうか。
「とうさんっ、目をあけてよ」
そう言って父さんの手をぎゅっと握りしめる私を落ち着かせるように、紬さんが肩を抱き寄せてくれた。
「大丈夫だ。麻酔がまだ完全にさめていないだろうから、心配しなくていい」
「で、でも……」
うるうると瞳を揺らす私に、彩也子さんも声をかけてくれる。
「仁一郎さん……あ、瑠依ちゃんのお父さん、嬉しかったのよ。目が覚めたら瑠依ちゃんが側にいて」
「そんなの、娘だし……」
当然だよ……と言おうとして、これまで父さんに対してそれほど優しい態度を見せてこなかった自分を思い出して何も言えなくなった。

