今では大学を卒業し、紬さんの会社で働いているという修さん。
今日一日だけで、何度その名前を聞いただろう。
顔を見たこともない人なのに、なんだか昔からの知り合いのような気になるから不思議だ。
理美さんの思いつきだとはいっても、私との結婚話もあったとなれば、思いも複雑。
「理美さんが、私を不憫に思っていたのはわかったけど、彼女も修さんの事が好きなんでしょ?
だったら、彼女が修さんと結婚すればいいのに。あれ? わ、鷲尾さんだっけ? 恋人がいるって言ってなかった?」
「……ああ。最近付き合いだしたみたいだな」
「修さんがいるのに……両想いなのに、どうして……?」
驚く私に、紬さんは苦しげに口元を歪めた。

