「理美さんは、私が修さんと結婚すれば、江坂家の一員になれるって思ったの?」
ふと呟いたけれど、きっとそれは正解に違いない。
誘拐されそうになり、病院に運び込まれた私を不憫に思い、いずれ私が修さんと結婚すれば、自分と同じように江坂家の一員として幸せになれるのではないか。
まだ子供だった理美さんは、それがベストな未来だと思ったらしいけれど、成長するにつれて自分が修さんに対して恋愛感情を強く抱くとは思わなかったらしい。
「自分とは名字が違う姉の事情を、修が正確に知るのは早かった。修が小学校に入ってすぐ、侑平さんが事実を教えたんだ。だからといって、家族の絆はゆるがなかった。むしろ強くなったように見えたな」
紬さんの言葉をじっと聞いている私の髪を梳きながら、紬さんは何かを思い返している。
きっと、幼い頃の理美さんや修さんとの思い出だろう。
「理美のこと……、修は愛しているんだ。それはもう、側で見ているのが苦しいほどにな」
「そう……」

