抱きあい愛し合い、そしてお互いの体を重ねて……私が紬さんを……。
「も、もう、どうしてそんなに露骨に言うかなあ。私はまだ慣れてないんだから」
「そんな、照れるなよ。俺達は夫婦なんだから、なんでも恥ずかしがらずにお互いを求めて、愛し合わなきゃ」
明らかに私をからかっているとわかる声に、私は唇を尖らせた。
私が何を聞いても言っても軽くかわしてしまう紬さんに、私一人が空回りしているようだ。
それは出会ってからずっとそうで。
紬さんの言葉に右往左往しながら、曖昧な状況のまま無理矢理落ち着かされているような気がする。
結局、私は紬さんの手のひらの上で上手に踊らされているのだ。
それに、理美さんの事情にしても、もっと早く教えてくれていれば私がこれほど悩むこともなかったのに。
ずっと、必要のない不安でいっぱいになっていた。
紬さんの恋人だと思いこんで、そして紬さんのことを好きにならないようにと心を閉ざして頑張っていたのに。
いつの間にか私の心は紬さんでいっぱいになり、その気持ちを振り払おうとしても、好きだという気持ちが小さくなることはなかった。
そのことを思い返すと、次第に紬さんが憎らしくなってくる。
私を甘い言葉で手なずけながら、自分の思い通りに事を運んでいる。

