「理美の実の父親は、侑平さんの友達で、理美が生まれてすぐに病気で亡くなっているんだ。
そして、その悲しみに耐えきれなかった理美のお母さんも、後を追うように亡くなった。心臓発作だったらしいけどな。二人は駆け落ち同然で結婚していたせいで、理美を引き取る親戚はいなかった。
で、そのことに腹を立てた侑平さんが理美を引き取って育てたんだ」
「うそ……」
「理美には江坂家との血縁関係はない。だけど、理美は生まれてすぐに侑平さんに引き取られたから、そのことを意識していない。修だって、自分の姉だと思って、いや、それは……わかんねーか。あいつは理美を……だけど、みんな仲良くやってる」
「そ、そうなんだ」
思いがけない話を聞かされて、言葉が出ない。
まだ、それほど近しい関係とは言えないけれど、入籍を終えている今では理美さんとは親戚関係。
それに、出会い方が出会い方だっただけに、彼女のことは強い印象とともに私の中に入り込んでいる。
「理美の名字は、江坂じゃないんだ。養女として江坂の籍に入る選択肢もあったらしいが、侑平さんが後々のことを考えてそうはしなかったらしい」
「後々って何?」

