冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う






「体が弱い修に寄り添って、守っていくためには自分が強くなければいけないって思い込んでいたんだな。修にとって頼りになる姉貴になることで自分の存在意義を見出していた。まあ、子供の頃のあいつにとっては無意識のものだったと思うけどな」

「存在意義?って、大げさだね。兄妹のいない私にはわからない感覚だけど」

「俺も一人っ子だから、弟に対する気持ちはわからないけど、そうじゃないんだ。理美と修は血の繋がりはないし、戸籍上も兄妹じゃない」

少し詰まりがちな声。

気のせいか、紬さんの瞳が何度か揺れたように見えた。

普段とは違うその様子に切なさを感じていると、紬さんは何かを決めたように大きく息を吐き出した。

「瑠依はもう、俺の嫁さんで、江坂家の一員だから、ちゃんと言っておく。
というか、早く言っておけよって怒られそうだけど」

「な、何?」