「俺たちの見合いの席に飛び込んできた理美からは想像できないだろうけど、あいつは弱い自分を隠す為に強気にふるまう術を学んで、修の側にいたんだ」
あの日、初めて理美さんを見た時に感じた印象とは逆の言葉に、少し驚く。
見た目も口調も、どこにも弱さを感じられなかったけれど、今日紬さんと一緒にいた理美さんを思い返すと納得できる部分もある。
洗いざらしのジーンズを違和感なく履きこなしていた姿からは、それが彼女の本来の姿だとわかった。
紬さんの家系によるものなのか、素顔でも整っていると容易に想像できる彼女はほとんどメイクも施されていなかった。
第一印象とは違う理美さんの姿に驚いたけれど、同時に、彼女と親しく付き合っていけそうな安心感を得られてほっとした。
決して私に敵意を抱いていないとわかる声や表情にも安堵した。
「だけど、弱い女性だとは思えなかった……」
ふと呟いた私に、紬さんも小さく頷く。
「それを隠さなきゃ、理美は乗り越えられなかったんだ」
「え?隠すって何を?」
不意に表情が暗くなり、何かを思い出すような紬さんに、問いかける。

