「さっき、えこひいきしてでも、って紬さんが言ってくれて嬉しかったの。
何にも縛られることなく、ただ私の側にいてくれる人がいなかったから。
だから……ようやく私は一人じゃないって思えて嬉しかった」
「瑠依……」
「私が今まで仕事に力を注いで、自分の生活を安定したものにしようと頑張っていたのはね、経済的に独り立ちしたかったからだけじゃないの。
愛する人に愛されて寄り添いながら満ち足りた毎日を過ごしたかった。
その為に、自分を高めたいという思いもあって頑張ってきたけど、もうその必要はなくなったの」
ふふふっと肩をすくめ、紬さんの頬にそっと手を当てた。
私の言葉に驚いたのか、ただ私を見つめている紬さん。
余裕ありありで強気ないつもの顔も格好いいけれど、戸惑いを隠せないこの顔も捨てがたい。
スマホに保存して、時々眺めていたい、なんて思いながら、小さく息を吐いた。
私、意外に落ち着いているんだな。
「お見合いから始まって、もちろん最初は恋愛感情もなかったけど、私は、紬さんを愛してしまったし、紬さんも私を……でしょ?」
「瑠依……」
紬さんは、はっとしたように口元を引き締め、そして、私を抱く腕の力が一層強くなった。
そのことに気をよくした私は、照れながらも言葉を続けた。

