冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う






きっと初めから、それが紬さんの狙いだったんだろうと思う。

『どうせ震えるなら、過去の苦しみに震えるより、俺に抱かれる幸せに震えてろ』

そんな言葉からもそれは明らかで、私の気持ちを不安や恐怖からそらすために、私を抱きしめてくれたんだろう。

……とは言っても、夜毎の夫婦の熱い時間を考えれば、単純に紬さんが私の体に触れたくて仕方がなかったのかと、思わなくもないけれど。

「瑠依が不安に感じたり、怒ったり、泣いたり。その理由が俺だけになるように、努力してくれ」

私の顔を覗き込み、大真面目な表情で話す紬さん。

その意味が、わからない。