ほんの少し熱く感じる頬を両手でおさえ俯くと。
「そんなに……柔らかい表情もできるようになったのね」
彩也子さんの小さな声が聞こえた。
「長い間瑠依ちゃんの側にいたけれど、私にはそんな表情を見せてくれたことはないのよ。
笑顔を見せてくれても、どこか曖昧だった。……紬さんの、おかげね」
「えっと……そんな、直球で言われても」
「ふふっ。照れるとまばたきが多くなるのは変わっていないわね。ほっぺも真っ赤よ」
もう、それ以上何も言わないで欲しい。
私を誰よりも知っている彩也子さんに、隠せることなんてないのは分かっているんだから。
私をからかって遊ぶなんてこと、やめて欲しい。
小さくため息を吐き、彩也子さんをちらりと睨む。
予想通りの優しい顔。
そして、その瞳は綺麗に潤んでいる。
「彩也子さん……」
「私が添い寝しないと眠れなかった瑠依ちゃんが、いよいよお嫁さんだものね。
それも、こんなに幸せそうに笑って。私はもうすぐおばあちゃんになるのかしら?」
彩也子さんは、まるでおばあちゃんと呼ばれることを心待ちにしているかのように目を細めた。
嬉しげに、そして瞳を潤ませて。

