霊界のトビラ

私は今日も親友の奈々子と一緒に下校していた。


「あんたもついに埋めたんだ、アレ!!」


「そう！全然いたくなかったー！」


「でしょ！じゃあさ、あそこに歩いているロングの女の人みえる？」


私は奈々子が指差す方をみた。確かに黒髪の女が歩いている。が、足がなかった。

こちらには気付いていない様子だった。奈々子が再び口を開いた。



「あのひと、いつもいるんだ」


「へぇ、ユーレイって私たちが見えてることしってるのかなぁ」


奈々子があっ、と声を上げた。


「そういえば・・・あたし今日学校行くときちっちゃい女の子の霊にバレた風だったんだよね」



「なんでわかったの？そんなこと」


私は奈々子に疑問をなげかけた。すると、奇妙な言葉が返ってきた。


「なんかあたしを見た瞬間、ぎょっとした顔してすたこら逃げていったの。意味わかんない、ホント」



「ふーん・・・」


どこかひっかかるような気がしたが、そこはスルーすることにした。すると、奈々子が小さな交差点で立ち止まった。


「じゃ、また明日ね。」


「うん、バイバイ!!」


私と奈々子はそこで別れ、奈々子とは反対方向の道をすすんだ。






次の日、奈々子は学校にこなかった。