「……ったから」

「え?」

「演技がド下手だったからよ!!!」

……。

朔は一瞬目を丸くして。

「……ああ(納得)」

くっ!なんなのその哀れみの目は!
笑われた方がマシだったああ!!

「でもなんでマネージャーになったわけ?」

彼の疑問に私は口を開く。

「子役時代にえげつない嫌がらせとかもいっぱい受けてさ。これはマネージャーになってタレントを守らなきゃ、って思ったんだよね」

私の理由に、朔は笑った。

「だからそんなに親身になってくれるわけか。雪姫らしいね。
……ところで」


彼の視線に、私もググッと顔を向ける。


「なんでさっきから黙ってるんですか、城ノ内さん」


そう。
ここに居るのは朔と私だけじゃない。

けれどその城ノ内副社長が、怖いくらい沈黙してる――。


「知ってたからな」


へ?



「え?いま、なんて?」


「だから、最初から知ってた」


は?
私の人生最大のシークレットを?


「――嘘おぉぉ!?」


会議室に、私の叫び声が響き渡った。