にこにこと近づく松坂さんは、私を下から上まで眺めて。

「うわ、変わってない!いや変わったけど、変わってない。元気にしてた?」

なんて、懐かしげに目を細めて。
プロデューサーはますます顔色が悪くなる。
伺うように、松坂さんに問いかけた。

「ま、松坂さん。彼女はBNPのマネージャーですよ。お知り合いなんですか?」


……や、ヤバい。
言わないで~!!

なんて目で訴えまくる私の願いをよそに、彼は私を見た。


「へ?マネージャー?
雪姫ちゃん、役者は辞めたの?」


……。

……。

沈黙の、後。



「ええぇ!?
雪姫、女優だったの!?」

朔が声をあげた。


あああ、マズイ!


「女優っていうか……子役だよね?」


……どこまでも呑気な声で、
松坂龍氏が私の秘密を
どかんと暴露した。


「えーと、いやあのね」


隠し続けていた過去が、あっさりと暴露され、私はしどろもどろ。


「へーぇ」


ギクリ。

私の後ろから響いた声に、恐る恐る振り返れば。
城ノ内副社長がニヤリと笑って私を見ていた。