――トン。


不意に、膝に置いた手が隣から出された手に引き寄せられた。


「――っ!?」


あまりに唐突で引っ込める間もなく、驚いてそちらを見たなら。
皇が、私の指に自分の指を絡ませて、そのまま二人の脚の間へ落とす。


ウソ、仕事の鬼が、仕事中に何やってるの?


私は信じられない思いで、城ノ内副社長を見つめた。

けれど彼は口の端でだけ微笑んで、目線はまっすぐスクリーンを眺めたまま。
その平然としている横顔が、なんだか悔しい。

私、多分今顔真っ赤だ。


……本当に、ここぞというときに私を落とすのが上手いんだから……。


私達は手を繋いだまま、二時間、秘密の時間を過ごした。


……ドキドキし過ぎて、所々試写に身が入らなかったなんて、朔には言えない。