「皇……好き」


囁いた言葉に、彼が硬直した。


「……え?」


私はその様子に、何事かと彼の顔を見上げる。
なんか妙なこと口走ったっけ、私。


「……っ、お前、それ反則だろ」


へ?なにが?

ポカンとする私の視線の先で、自らの顔を手のひらで覆う副社長。
あ、あれ?耳が赤い……?

彼は指の隙間から、私にちらりと視線を落として口を開いた。


「お前から好きとか言うの、初めてだよな」


「え?いやまさか、え?あれ?」

……てっきり私ばかり彼を好きだと思ってたけど、そういえば言ったことなかったかも。
う、うわあ……盲点。
……というか、まさかこの人照れてるの?


「馬鹿、勃った。責任取れ」

「はあああ!?アナタ今まで散々遊んできたくせに、なに今更中学生みたいなことを!」

「お前がエロいのが悪い」

「普通の告白ですよ!きわめてオーソドックスな!幼稚園児でも言うわ!」

なんだそれーー!?


かくして私は、病院から皇の部屋へ場所を移すも、同様にベッドに放り込まれたのだった――。