――昇っていく階数表示を見つめながら、気持ちはどんどん下降していく。
上層階に行く専用のエレベーターには、他にお客さんも居ない。
「君ホントにマネージャー?出る側になればいいのに」
隣に立つ男は上機嫌で私の顎を掴んで、顔を見つめてくる。
ついでに腰を撫でられて、もう吐きそうなほど嫌悪感でいっぱいだ。
このご時世、まともに仕事している人もたくさん居るのに、なんでこんな人まで残ってるんだろう。
けれど彼はプロデューサーとしては大御所で、敏腕すぎるほど敏腕なんだ。世の中オカシイ。
現実逃避しそうになった私に、いぶかしげな声がかけられた。
「……あ?
けどどこかで見たことあるような」
彼が記憶を探るように言いかけた瞬間、ガタンと開いた扉。
ああ、着いちゃった。
まるで死刑台に向かう気分。
エレベーターから出た瞬間ーー
「すみませんねぇ。
うちはそーゆーサービスはしてないんですよ。
スマイル一つでも有料なもので」
私の耳に響いたのは
ここで聞こえるはずの無い、艶めいた低い声。
上層階に行く専用のエレベーターには、他にお客さんも居ない。
「君ホントにマネージャー?出る側になればいいのに」
隣に立つ男は上機嫌で私の顎を掴んで、顔を見つめてくる。
ついでに腰を撫でられて、もう吐きそうなほど嫌悪感でいっぱいだ。
このご時世、まともに仕事している人もたくさん居るのに、なんでこんな人まで残ってるんだろう。
けれど彼はプロデューサーとしては大御所で、敏腕すぎるほど敏腕なんだ。世の中オカシイ。
現実逃避しそうになった私に、いぶかしげな声がかけられた。
「……あ?
けどどこかで見たことあるような」
彼が記憶を探るように言いかけた瞬間、ガタンと開いた扉。
ああ、着いちゃった。
まるで死刑台に向かう気分。
エレベーターから出た瞬間ーー
「すみませんねぇ。
うちはそーゆーサービスはしてないんですよ。
スマイル一つでも有料なもので」
私の耳に響いたのは
ここで聞こえるはずの無い、艶めいた低い声。

