side 朔
ドラマ撮りを終えて、スタジオを出れば、廊下に珍しい顔が並んでいた。
一人はウチの女優、藤城すず。
そしてもう一人は、美倉舞華。
何であの二人?
美倉が離れるのを待って、藤城に声を掛けた。
「藤城、美倉と知り合い?」
「あ、二ノ宮さん。
いえ、今知り合ったんです。城ノ内副社長の知り合いなんですってね。今度プロデューサー紹介してくれるって……」
嫌な予感。
あの美倉が、雪姫の担当している女優に親切にする?
んなわけないだろ。
「……アイツには近づかないほうが良いよ」
「は?……それより先輩、私が居ない間、雪姫ちゃんにマネしてもらったって本当ですか」
いきなり話が飛んだ。
唐突さに戸惑いながらも、
「え?ああ」
と頷いたら、いきなり藤城が涙目でわめく。
「雪姫ちゃんはアタシのマネージャーなんだから!!返してもらうんだからあああ!!」
……なんなんだ、一体。
「随分雪姫に懐いてんな」
「城ノ内副社長もよ!人が休業中にかっさらいやがって。雪姫ちゃん泣かせたら殺す……!!」
「それは同感だけど」
雪姫、妙なヤツらにモテモテだな。
そう思って、自分もまんまとその一員なのだと気付いて、微妙な気分。
「さっさと売れっ子になって、雪姫ちゃん独り占めするんだからああ!」
「それは頑張れ。まあとにかく、美倉には関わるなよ」
この子、俺の話を聞いてるのか?
ドラマ撮りを終えて、スタジオを出れば、廊下に珍しい顔が並んでいた。
一人はウチの女優、藤城すず。
そしてもう一人は、美倉舞華。
何であの二人?
美倉が離れるのを待って、藤城に声を掛けた。
「藤城、美倉と知り合い?」
「あ、二ノ宮さん。
いえ、今知り合ったんです。城ノ内副社長の知り合いなんですってね。今度プロデューサー紹介してくれるって……」
嫌な予感。
あの美倉が、雪姫の担当している女優に親切にする?
んなわけないだろ。
「……アイツには近づかないほうが良いよ」
「は?……それより先輩、私が居ない間、雪姫ちゃんにマネしてもらったって本当ですか」
いきなり話が飛んだ。
唐突さに戸惑いながらも、
「え?ああ」
と頷いたら、いきなり藤城が涙目でわめく。
「雪姫ちゃんはアタシのマネージャーなんだから!!返してもらうんだからあああ!!」
……なんなんだ、一体。
「随分雪姫に懐いてんな」
「城ノ内副社長もよ!人が休業中にかっさらいやがって。雪姫ちゃん泣かせたら殺す……!!」
「それは同感だけど」
雪姫、妙なヤツらにモテモテだな。
そう思って、自分もまんまとその一員なのだと気付いて、微妙な気分。
「さっさと売れっ子になって、雪姫ちゃん独り占めするんだからああ!」
「それは頑張れ。まあとにかく、美倉には関わるなよ」
この子、俺の話を聞いてるのか?

