「そんな可愛くない皇はやめて、俺にしない?みっくんは可愛いよ~。
大丈夫、俺は最初っから雪姫ちゃんみたいな可愛い系が好みだから。テレビに出てた時も可愛いなあと目を付けてたのよ、おにーさんは」

「ちなみに当時帝さんは」

「高校生ぇ~」

私は五歳だ。変態決定。


「いい加減にしろ」

皇が容赦無く兄を足蹴にして、帝さんは「うぎゃ」とかなんとか言って、その場に潰れた。
更に上から踏みつけるーーあの、そこ首ですけど。

「こ、皇、死んじゃいますよ」

「むしろ息の根を止めたいんだが、見てわからないか」

私の前で人殺しはやめて下さい!


なんとか弟の足の下から脱出して、涙目の兄が訴える。

「酷いよ、皇ちゃあん!」

「皇ちゃん言うな。俺のモノに手を出すな」


冷たい目で言い切った皇に、帝さんは目を見開いた。
その口が、皮肉気に歪む。

ああ、こういうとこは皇に似てるかな、なんて眺めていた私に。


「まあいいや、じっくり責めますか」


彼は不穏な呟きを漏らした。