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ピンポーン、という音を、熱に浮かされた耳でかすかに聞き取って。


「……皇、お客様……」

「この状況で出られるか、馬鹿。放っておけ」


でもね、
なんだか、

ガチャガチャいってますけどぉ!?


「ちょ、皇、本当にっ」

彼を止めようと、身を起こした瞬間。


「わーぉ、女連れ込んでんな、あの馬鹿。皇ーっ!こーうー!」

凄まじく浮かれた声に、バタバタとこちらへ近づく足音。

「嘘っ……」


ドア、開けられる!?

悲鳴をあげかけた私に毛布を被せて、皇が舌打ちした。


「んの、馬鹿!そこで30分待っとけ!ドア開けたら殺すからな!」


ドアの外に怒鳴っておいて、皇は私を見下ろした。
その手で私の口を塞ぐ。


「て、ことで声、出すなよ」


う、う、嘘でしょおぉ!?
この鬼畜~っ!!