君の名を呼んで

「ところで、本当に皇がジュエリーショップとか行ってくれるんですか?似合わなさ過ぎます」

私を後ろからガッチリ捕獲……もとい、抱き締めている彼の顔を振り返って聞いた。

皇は一瞬硬直する。
自分でも似合わないのが分かっているに違いない。

「桜里なら似合いそうだけど」

ボソっと言った言葉に反応して、皇が私を睨んだ。

「それで俺を煽ってるつもりか、くだらねぇ」

……メチャメチャ意識してるように見えますけど。


「指輪なんかしなくても、お前が俺のものだってまわりにわからせる方法があるぞ」

「え?そんなことーー」


出来るんですか、って言葉は
私の喉元に吸い付いた唇に止められた。

チュ、と音をたてて
また、そのそばに。


「っ、な、な、何やってるんです!?」


動揺のあまり涙目で慌てる私に、皇は色気に満ちた目で見上げて、また私の首筋に唇を落とす。


「指輪より、効果あるかもな」


……馬鹿。