「専業主婦は、結婚してなきゃなれませんよ」

横目で睨みながら、軽く言ってみる。
内心バクバクで。

だって知りたいの。
真意を、教えてーー。


ふと目が合ってしまった。
私の視線にニヤリと笑う、皇。


……しまった。
探りをいれたことを気付かれてる。


「ああ、鈍感女のお前でも、気付いたんだ?俺にプロポーズして欲しいのかよ」


ぐ!


そうやって皇は、色気全開な横目で私を見て、ますます深く笑みを浮かべた。

わかってて、やってる。
た、たち悪いっ……。

そんなんじゃない!と言いかけてふと気付く。
こういう時には、素直に、素直に!


「そりゃあして欲しいです、よ」


チラリと皇を見上げて、小さな声で言ってみる。
けれど彼の表情は変わらないまま。

は、恥ずかしい……。

そのまま沈黙が訪れて。


ヤバイ、重かった?
皇、引いたかな。


だんだん不安になってきた、その瞬間。



「さっきの、やっぱ嘘。無し」



皇の言葉が、私に突き刺さった。