君の名を呼んで

囁かれた言葉は優しくて。
その全てが愛おしくて。
夢中で抱き締め合って。

いつかのように、肌に残された赤い痕を、同じように彼の肌にも残した。

皇は嬉しそうに、けれど困ったように私を見つめて。
その指が愛おしむように触れるから、なんだか泣きたくて泣きたくて。

代わりに彼を抱き締めた。


「まったくお前は服を着てないと素直だな」

「なんですか、それ!」

「もうこのまま裸でいれば?」

「馬鹿!変態!鬼畜!」

「そこが好きなんだろ?」

「~~っ、……はい」

「ほらな」


皇のとんでもない発言に顔を真っ赤にしながらも、でもこのまま何もかも忘れてこの腕の中に居たい、なんて。

「心配しなくて良いから、ここに居ろ」

私はそう、思っていた。