今の言葉。

“俺ですら喰いたい”

私を女として見てる、ってこと?
(なんか失礼な表現もあったけど)

見下ろす彼の表情は読めなくて。
うろたえるのさえ、自意識過剰な気がして、反応できない。

……。

だけど、どうせ本気じゃない。
期待するだけ馬鹿。


……だから私は話題を変えようとした。


「や、なんか私の名前が気に掛かったみたいで……
そういえばなんで副社長は下の名前呼ばれるの嫌なんですか?」


とっさに思いついただけの話題だったのに。
城ノ内副社長は驚くほど冷たい視線で私を見下ろした。


「……お前には関係ない」


ズキリ、と。


音を立てた胸に気付かないふりをして、私は去っていく副社長の背中を見つめていた。