「そうやってこっちは運命感じたってのに、お前はちっとも気づかない鈍感女だし」

城ノ内副社長らしくない台詞に私はドキンドキン、と高鳴る胸を押さえた。
艶やかに投げられた視線が、さくりと胸に刺さる。

「どんどん俺を引きずり込む。……俺を何回惚れさせれば気が済むわけ?」

ボンッと。
音を立てたかもしれない、私の頭。
ヒートアップしすぎて、ついてけなくて。

「……な、なんてこと」

なんだか凄く遠回りして。
なんだか凄くヤキモキさせられて。
明らかになった恋。

私が思っていたよりもずっと、彼は私を知っていたんだ。
想ってくれていたんだ。

泣きそうになりながらも照れ隠しを込めて、彼を睨んで。

「人騒がせな~!早く言って下さいよぉ!」

そう抗議したら、彼はまたニヤリと笑みを浮かべて。


「それじゃ面白くないだろ?」

なんて言ったんだ――。


……甘いキスと共に。