夏はそろそろかえるんだって
みんなはまだまだかえらないんだって
ならわたしも ここにいていいよね
みんながここにいるんだもん
時計の針はもうとっくに

わるいことなんてしてない なんていう
うそつきよりだいじなものがあった
わるいことした日のよるの
くらやみがまだあたまのなかに
ぐるぐる

丈のながいスカートが
かぜになびく よろこんで
まだこのままで みんなで ふたりで
あまくてスパイシーな安物ダンスフロア

わたしだけ だれよりも
だいすきなあの子たちよりも
きれいにスカートをなびかせて
いまあなただけのものなの
もっと速く もっと強く
ふたりで加速して だれもおいつけない位

安物のサンダルが
安物のダンスフロアにひびくだけ
おどるだけ なにもしない
でもあの瞬間だけはたしかに
ふたり恋に落ちて 恋に酔って
夏の空気 何よりも
くらくらする お酒だった

あの子たちも ダンスフロアもあなたも
今はもう 夏の陽炎 揺らめいて
秋のくらやみが とかして消えた

丈のながい スカートが
風になびくたび
あの時の いちばんきれいなわたしが
新しい季節へ手を引くの