「はぁはぁ。ここなら大丈夫…」
近くの公園まで、店長を引っ張り走るのは疲れる。
「で、どうしたんですか?」
「いやーねー、梢ちゃんも笠松くんもさ、今日休んじゃった訳よ~。でさ、今日いるのー、俺と日野くんと樹月ちゃんだけなのさ~。これじゃ、店無理じゃん?で、今日、休業するから。本当はー、メール入れようとしたけど、樹月ちゃんの番号分かんなくてさ~。いやぁ~参った参った。んし、用はこれだけだよ~。んじゃーねー」
「は、はい…」
何だったのだろう。
店長さんは未だによく分からない。
ピロピロローン~
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樹月へ
いつ、帰ってくる?
母さんは樹月が好きよ。
ねぇ、樹月。父さんも心配してるのよ?
帰っておいでよ。
そんなに私達が嫌いかい?
叔母さんはあんたをよくみとないよ?
樹月を可愛がりたいのよ、私は。
待っているわ。
私は、私達はあなたに選択肢をあげているの。
早くしないと、連れ戻すわよ。
あなたに兄弟はいないのだから。
久栄【ひさえ】より
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