…それでか
一緒にいても、どこか一線引いてる感じがしたのは
「恵介はその償いで、あの子の
そばにいて守ってきた…。けど、おばさんは…。仲直りはしたみたい…でも、要への接し方がわからないって家を出て住み込みで働いてて…。あの子は、諦めてきた事が多いんです。だけど、先輩の事は諦めたくないって…」
「はは、最低だな俺…」
知らなかったとは言え
どれだけ要を傷付けた?
「だから、あたしは要を
泣かすなら許しません。例えそれが要が大好きなあなたでもです」
「…忠告、よく覚えとくよ」
俺は要をおぶって今井の部屋を出た
要の家へ帰る途中、さっきの話を思い出していた
…要ん家に行くいつもお袋さんいなかったけど、一緒に暮らしてなかったんだな
だから家族に憧れてたのか…
…俺は要の事を知ってるつもりで何も知らなかった
今まで何を見てきたんだろう…
