胡桃が編入してきた時か…
「あぁ」
「あたしは要に幸せになってほしいんです。だから、要を泣かせるような事があれば何度だって殴ります」
…それは
「何か理由があってか?」
「…?」
「お前らが仲が良いのは知ってる。けど、今井がそこまで要の幸せを願うのは要の過去に何かあったんじゃないのか?」
「ふっ…。さすが、エスパーって言われてただけの事はありますね」
「まぁ、そう呼んでたのは要だけだけどな」
それから今井は何か考えて吹っ切ったように話し始めた
「要の両親が離婚してるのは知ってますか?」
うちに来た時、確か父親が
いないって言ってたな
「父親がいないとは聞いてた」
「要のおばさんは要より出てったおじさんにそばにいて欲しかったんです。要は自分がそばにいるからって泣いてもおばさんはそれを拒否した、産まなきゃよかったって…。同じ時期に幼馴染みの恵介からもうっとおしがられて…、大好きな人に拒絶される気持ちがわかりますか?それ以来あの子は拒絶されるのが怖くて自分の本心をあまり言わなくなったんです。」
