「何なの、その女っ!!山下先輩も山下先輩だよ、フツー追いかけてくるでしょっ」
あたしより亜子のが怒り狂ってる…
「やっぱり、山下先輩目当てなんだよ。髪切ったのだって、要に似せて先輩の気を引くためじゃない?あたしが一言言ってあげる。ケータイ」
逆らえずにケータイを手渡すと
ちょうど電話がかかってきた
着信は敦郎先輩
「…やだ、出たくない」
だって何を話せばいいのか…
ピッ
「もしもし、山下先輩?亜子です」
『何で今井が。要は?』
亜子があたしを見るが
電話に出たくなくて首を横に振る
「要は先輩と話したくないって。先輩さ、仕事と彼女どっちが大事?って聞くつもりはないけど、彼女とバイトどっちが大事なわけ?何で要が話したくないって言うのかよく考えて下さい。それまで要は返しませんっ」
ピッ
亜子は言いたいことだけ言って
ソファにドサっと座った
「あぁ、スッキリした」
「亜子…」
「あとは先輩が、どう出るかだねー」
