「待てよ、要。体調悪いって
大丈夫なのか?」
「だ、大丈夫です」
平気なフリをするのが精一杯だった
走ってお店を飛び出したのはいいものの…振り返っても先輩は追いかけてきてくれない
それが余計に涙を誘った
…最悪の記念日だ
あたしは一人になりたくなくて
亜子の家に向かった
ピーンポーン
『誰?』
「ごめん、アポなしで。ケーキ
買ってきた、上がっていい?」
『いいけど、あんた今日先輩と
デートじゃなかった?』
…デート
楽しい記念日になるはず
だったのに
「…グスっ…」
今日あった事、泣きながら
全部話した
