「だってさっき亜子に旅行行ったら距離が縮まるからって言われて…あたしも先輩と行きたいなって思ってたんです」
 
「すぐは無理かもしんないけど、必ず休みとるから。そしたら二人でゆっくりしようぜ。行きたいとこ考えといて」
 
「は、はい」
 
「よし、いい笑顔だ」
 
先輩は小さい子をあやすように
あたしの頭に手を乗せて撫でてくれた
 
「今井来てんならそろそろ帰るな」
 
え…もぉ?
来て15分くらいしか
経ってないのに
確かにあんまり長く亜子を待たせたら悪いけど…もう少しくらい…
 
「あ、良かったら上がってきませんか?」
 
「俺と離れたくないのはわかるけど、そんな事言うと玄関入った瞬間、襲っちまうぞ」
 
 
 
ぎゃっ、それは困る…
 
「ぷーッ…。お前、相変わらずおもしれーな。また連絡するから」
 
「…わかりました」
 
「おやすみ」
 
「おやすみ、なさい」
 
 
 
目を閉じてキスをした