「…なぁ、要」
 
「何ですか?」
 
敦郎先輩の久しぶりの遅番出勤
 
「いつまで俺に敬語使ってんの?」
 
ガシャンッ
 
予期せぬ言葉に驚いて
注いでいたジュースを
こぼしてしまった
 
「わっ。き、急にどうしたんですか?」
 
「ったく、そそっかしいな。
ケガ無いか?」
 
テーブルにこぼしたジュースを拭きながらあたしの心配をする優しい彼氏
 
「赤くなるなよ、いい加減俺に
慣れて」
 
 
 
大好きだった敦郎先輩と
付き合い始めて2ヶ月
 
と言っても先輩は仕事が朝早くから夜遅くまで忙しく、中々会える日は少ない
 
そのせいか、あたしはまだ
先輩への敬語が抜けないでいる
 
そして、近くにいると赤面しちゃうのもまだ慣れない