つかつかと職員室に入ったあたしは担任のところに行った。
あたしの担任はよぼよぼのおじいちゃん。
「おはよう。どうしたのかね?」
「あの、クラスでいろいろあって、あたしと城山夏芽、高梨凌空、武田雄一、松島誠、全5名、事が片付くまでは今日一日自由活動と言うか、調べさせてもらいます。ま、いじめの証拠とってくるってことなんで、今日は見逃してください。」
これで納得してくれるとは思わない。(いくらよぼよぼおじいちゃんでもね)
「何を言ってるんだ!杉本、君ていう子はまったく。」
向かいの席にいた隣の組の担任が先に突っかかって来た。
「うるさいな。いじめじゃなかったらいくらでも怒ればいい。もし、本当にいじめだったら、どうすんだよ。取り返しのつかないことになってからじゃ・・・。つらい思いをするのも本気で死にたいと思うのもあたしだけで充分なんだよっ。」
それ以上は何も言わなかった。
「分かりました。今日だけね。」
にこっと微笑んだ。
「ありがとうございます。」