初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました

「あ、えっとその、」

「千夏」

「は、はい！」


焦る私を江崎課長は落ち着いた声で呼んだ。


「ただいま」


そう言って優しく微笑んだ。

…全くこの人は。
私をどれだけドキドキさせたら満足なのか。

しかし言った本人は真っ赤な顔の私を気にもせず、


「そんなところにいたら冷えるぞ」


と言ってリビングへ歩いて行った。

…あ、野菜スープ放置してた！
いくら片付けたからといっても見られるのは恥ずかしいといいますか！
とにかく待ってください！

私の願いも届かず、江崎課長はリビングに入ってしまった。
リビングは野菜スープのいい匂いがしていた。


「作ってくれたのか？」

「はい…簡単なものしか作れなかったですけど…」

「美味そうだな。食べてもいいか？」

「も、もちろんです！」


私は江崎課長が支度を整えている間に、スープを皿に移しテーブルの準備をしたのだった。