泣き止んだ頃にはもう帰らなければいけない時間になっていた。
駅まで送ると言う江崎課長を説得させ玄関までにしてもらった。
せっかくあったまった体を冷やしてもらいたくない。
「お邪魔しました」
「あぁ、くれぐれも気をつけて」
…ねぇ、江崎課長。
私、少しずつでも頑張ります。
どうしようもないくらい優しい江崎課長の想いを受け取ってばかりじゃなくて。
私も返していきたい。
不器用ながら頑張りますから。
どうか受け止めてくださいね。
玄関をあけ振り返った。
そして、
「…おやすみなさい和也さん」
と早口で言って玄関を出た。
…つもりだったが。
「待った、今何て言った」
呆気なく捕まってしまった。
「お、おやすみなさいって言いましたよ」
「違うその後」
「な、何も言ってません!」
「やっぱり帰るの却下。もう少し、というか泊まっていったらいい」
「さすがに今日もは…」
「拒否権は認めない」
ニヤリと意地悪く笑って私の腕を引っ張りバタンと玄関を閉めた。
再び部屋の中に入っても、お泊りセットがないだの金曜日と同じだの言い合ったのだった。
駅まで送ると言う江崎課長を説得させ玄関までにしてもらった。
せっかくあったまった体を冷やしてもらいたくない。
「お邪魔しました」
「あぁ、くれぐれも気をつけて」
…ねぇ、江崎課長。
私、少しずつでも頑張ります。
どうしようもないくらい優しい江崎課長の想いを受け取ってばかりじゃなくて。
私も返していきたい。
不器用ながら頑張りますから。
どうか受け止めてくださいね。
玄関をあけ振り返った。
そして、
「…おやすみなさい和也さん」
と早口で言って玄関を出た。
…つもりだったが。
「待った、今何て言った」
呆気なく捕まってしまった。
「お、おやすみなさいって言いましたよ」
「違うその後」
「な、何も言ってません!」
「やっぱり帰るの却下。もう少し、というか泊まっていったらいい」
「さすがに今日もは…」
「拒否権は認めない」
ニヤリと意地悪く笑って私の腕を引っ張りバタンと玄関を閉めた。
再び部屋の中に入っても、お泊りセットがないだの金曜日と同じだの言い合ったのだった。

