涙がポロリとこぼれる。




そんな姿を見たくなくて私は走り出していた。





良かった。足が動いて。




社会人になって少し運動不足で息切れがした。






「菜緒!!」




隼人の声。




追いかけてこないでよ。沙里ちゃんは?おいてきたの?




私はまた走り出していた。追いかけてくれなかったらショック受けるくせに矛盾してるよね。




でも、運動神経抜群な隼人と普通の私ではすぐに捕まってしまった。




「俺、今から大事な事言うから聞いてくれる?」