「あいつが彼氏?」



分かりきっている質問だけど、否定してくれるわずかな可能性を信じた。



だけど、菜緒は




「えっと……」




と照れるだけだった。




気付いたら菜緒を引き寄せ、キスをしていた。



キス、久し振りだ……



なんて思っているとおもいっきり押され、菜緒の唇は離れた。



「な……ん…で?」



涙を流しながら俺の方を見た。




俺、本当に最低だ。



「ごめん」



そう言って家に戻った。