私は自分でも信じられないくらいのスピードで外に出た。





そこには真っ黒の大きな車に乗り込む隼人の姿があった。





「隼人っ!!」




そう呼んだときには、もう車は出発していた。





けれど、私の声が聞こえたみたいで車の中から振り返った。




“お前…事…っ………………”




隼人は私の目をしっかり見ながら、呟くように何かを言った。




何?何て言ったの?



隼人……隼人…




「行かないでよ、ずっと私の隣にいてよ。隼人、大好き………」




私の言葉は風と共に消え去ってしまった。